医王寺と国重文・阿弥陀如来像   綾部の文化財を守る会会長 村上高一 氏   HP:綾部の文化財

木造阿弥陀如来座像

 綾部市の郷土史講座では、平成19年秋の現地研修会が、地元の綾部、舞鶴で仏像の拝観を中心に、11月17日に開催されました。見学した寺院は、綾部で医王寺安国寺仏南寺、舞鶴で円隆寺でした。今回見学した四寺の中で医王寺のことについて書かせていただきます。その理由は誠に恥づかしいことですが、私の不勉強で医王寺のことについては未知で、全く初めての見学であり、仏像阿弥陀如来が端正で美しい姿であるのに感激し、また寺の護持法が特異であることが分かったからです。

 医王寺は国道27号線で、八田中学校前の点滅信号の南、約百メートルの地点から東北東へ約1キロメートル程行った山中(市内梅迫内谷)にあります。同寺について、綾部市観光協会、綾部の文化財を守る会、内谷自治会の三者で作成した駒札に記されている内容では、本寺は寛正年間(1460〜65)」安国寺九世妙澤和尚の創建と伝えられているが、現在は一堂宇を残すのみである。

 元寺名の如く薬師如来が本尊であったが盗難のため、他から移された阿弥陀如来像が今本尊となっている。この木造阿弥陀如来像は国の重要文化財で像高70.9センチメートルで胎内には元享三年(1323)3月日法印尭円の銘を有し、京三条大仏師尭円の作である。鎌倉後期の華麗な盛上彩色の文様をあらわし、寄木造りで宋風の力強い作品である。

 当日参加され、指導していただいた史談会の川端二三三郎先生の説明を少し付け加えますと、本尊の移動には当時の足利氏の力が動いているのではないか、本尊は玉眼入りで写実性の強い像であるとのことです。また当日の見学のお世話になった内谷自治会長辻井義明様の話では、この堂宇の周辺が医王寺の境内であり、同寺は現在まで長い間自治会の人たちによって年四回、春秋の彼岸、お釈迦様の誕生日、お盆の日にそれぞれの行事が行なわれ崇敬護持されているとのことです。
 本尊の拝観はお盆を除いて三回できるとのことです。この仏像については、当会のインターネット「綾部の文化日誌」に掲載されています。